生活のこと

ヘンリー日記-2

1を書いてから随分間が空いてしまった。
その間に夏がきて、ヘンリーは施設に通うのも慣れてきて、私はみんなのお世話になりながらなんとか一週間家を空けてリバプールに行くことに成功し、無事帰ってきた。

夏ごろ急に「歯が痛くて食べられない」と言い出したので、近所の歯医者を探して連れて行った。型を取って入れ歯を作り変えたり、反対側の虫歯を治療したり、歯医者というところは、通い始めるとしばらくは続けなくてはいけない。毎週火曜の昼頃はそれに時間を取られる。

しかし歯は大切だ。自分の歯でも入れ歯でもなんでもいい。食欲があって、なんでも美味しい美味しいと食べるうちは元気でいられる気がする。食べられなくなったり美味しいと感じられなくなったら本人だっていやだろう。だから面倒だけど、歯医者は頑張って通わなければ。

しかし、いざ歯医者に行くのは一仕事だ。まずは電話で起こし着替えるように言って、しばらくしてから家に行く。「歯医者に行くよ」というと「ええーー」と驚く。それから、「診察券持ってないよ」「お金ないよ」「どこまで行くの」となるが、とにかく「持ってるから」「あるから」「早く!」と促し出かける。

歩くのも遅いから、私がどんなにゆっくり歩いてもすぐに差がついてしまう。しばらく歩くと後ろから「よーちゃん、ちょっとちょっと」と呼ばれ、振り返ると「どこに行くの?」と聞かれる。「歯医者だよ」と答えると「ええーーーー」と驚く。そんなことの繰り返しをしているうちに歯医者にたどり着く。

治療は1回10分程度。歯を磨いているかどうかも分からない、嚥下障害のある痴呆症の年寄りの治療は大変だろう。毎回よくやってくれるよなあと思う。

治療が終わるとケロッとして「おなかすいた」「なんか食べよう」となる。なんか、といっても歯医者の帰りに行けるところは同じフロアにあるモスしかない。そこでレモンティ―とホットドッグを食べるのが定番。

一年くらい前までは、そこで顔見知りの人たちとよくお茶を飲んでいたが、だんだん話についていけなくなったのだろう。すっかり足も遠のき、近頃は私と一緒に行ってもだれかとあいさつを交わすこともほとんどなくなった。

いずれにしても、貴重な外食タイムだ。紅茶は予備(2杯目用)にお湯をもらう。ちょうどお昼時なので私はライスバーガー、そしてサイドディッシュにオニポテとスープを注文した。もちろん完食!

で、カメラを向けてポーズをとってと言ったらこの表情。はい、お疲れさまでした。

 

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